■ 第一話 『花と緑の』
14歳のある夏の日、雨宮花は突如として不思議なジャングルに迷い込む。
そこは電脳生命体・デジタルモンスターが暮らす異世界「デジタルワールド」だった。
ジャングルで出会った緑の珍生物・ヌメモンとともに、成り行きで盗賊を倒した花は勇者と祭り上げられ、ヌメモンのヌヌをパートナーに、選ばれし子供として盗賊退治の旅に出る羽目になってしまうのだった。
■ 第二話 『花とパチモン男爵』
命からがらジャングルを抜けた方向音痴の花とヌヌ。
辿り着いた平原の村で盗賊の話を聞き、盗賊の根城となっている鉱山へと向かう。
道中で行き倒れていた旅の魔術師・ウィザーモンをお腰につけた泥団子で仲間にし、勇者らしからぬ火炙りで盗賊退治を試みる花たち。
卑劣な火責めを破って現れた鉱山のボス・ニセドリモゲモンを激闘の末に倒し、こうして花の旅は終わりを迎えるのだった。
■ 第三話 『花とモヒカン狂想曲』
まだ全然終わってなかった盗賊退治の旅。後ろ髪を引かれながらウィザーモンと別れ、鉱山の先へと向かう花とヌヌ。
しかしそこに現れたのは、火炙りからどうにか逃れて激おこな盗賊の残党・モドキベタモンたちだった。
追われ追われて逃げまくる勇者。追いつめられたその時、ヌヌの秘奥義「究極ウンチ地獄絵図」が炸裂する。
過程はともかくどうにかこうにか盗賊を退け、花とヌヌは鉱山の先で不思議な預言者たちの村へと辿り着くのであった。
■ 第四話 『花と伝説の……』
預言者の村で「黄色き星の剣」の予言を聞かされる花とヌヌ。盛り上がる花と預言者たち。ないがしろにされて納得のいかないヌヌ。
意気揚々と村を発つ花。しかし「黄色き星」はついぞ見つからぬまま、盗賊のアジトへ辿り着いてしまう。
仕方なく勇者らしからぬ落石で盗賊を一網打尽にしようとするも、盗賊のボス・オーガモン三兄弟にはまるで通じない。
間一髪でどうにか逃げおおせた花とヌヌ。ヌヌの推理を頼りに、「黄色き星」を求めて預言の山へと向かうのだった。
■ 第五話 『花と縫包の乱 前編』
遂に預言の山へと辿り着いた花とヌヌ。そこで二人が目にしたのは山頂に埋まる謎の黄色いもこもこだった。
えっさほいさとどうにか引っこ抜き、手に入れたもこもこを身にまとったヌヌは、完全体・もんざえモンへと進化を果たす。
これが本当に「黄色き星の剣」なのかは甚だ疑問であったが、とにもかくにも劇的なパワーアップを果たしたヌヌ。
盗賊のアジトへと舞い戻り、その圧倒的なパワーをもって盗賊団を瞬く間に壊滅させる。
これでようやく使命を果たせたと、花が安堵したその時、そこへ現れたのは鉱山で出会った魔術師・ウィザーモンだった。
花たちと別れた彼は鉱山を探り、「黒い歯車」を使って盗賊たちを操っていた黒幕の存在と、そしてその真の目的が世界を制御するコアプログラム「コードクラウン」にあることを突き止めたのである。
村人からお礼にもらった金塊を取り込み、なぜか羽を生やしたもんざえモンに乗り、花は黒幕の元へと向かうのであった。
■ 第六話 『花と縫包の乱 後編』
黒幕の元へと向かう空の道中、何者かの襲撃を受ける花一行。
身を隠し、追っ手から逃げる彼らの前に現れたのは、見るからに怪しい謎のメタルうんこ・ダメモンだった。
勇者の勘でダメモンを信じ、その案内を受けることにした花たちだったが、しかしそれは何のひねりもない罠であった。
囚われの身となる花たち。もんざえモンの中からにゅぽんと引きずり出した中身・ヌメモンの軟体をもってどうにか脱獄に成功するも、そんな彼らの前にすべての黒幕、盗賊団の真のボスであるワルもんざえモンが姿を現す。
そして明らかとなるその真の目的とは、太古に封印された伝説の魔神・ブラストモンの復活であった。
特に何でもなかったコードクラウンのことは忘れ、魔神の復活を阻止すべく、花たちの最後の戦いが、今始まる。
■ 最終話 『花とヌヌ』 その一 四天王決戦編
世界の片隅で遂に始まる、世界の命運を懸けた決戦。
ワルもんざえモン配下の四天王と激戦を繰り広げる花たち。そんな中、地の底で再会したのはいつかのパチモン男爵・ニセドリモゲモンであった。
黒い歯車の呪縛から解き放たれ、勇者の力になりたいと駆け付けた男爵。黒い歯車を作るため、アジトに囚われていたハグルモンたち。そんなハグルモンたちを助けるために盗賊団に潜入していたダメモンことツワーモン。彼らを仲間に加え、四天王を次々と退けていく花たち。
そしてもんざえモン対ワルもんざえモン、熊と熊との最終決戦はお互いの必殺技、なんか優しい気持ちになる「ラブリーアタック」と、なんか落ち込む「ハートブレイクアタック」の、絶対に精神攻撃ではない大規模物理攻撃のぶつかり合いとなる。
激しいつばぜり合いの果て、花のデジソウルによって力を増したもんざえモンがこれを制するが……しかし戦いは、まだ終わってなどいなかった。
なぜなら「魔神の復活を阻止する」だなんて、こんなわかりやすいフラグを残したまま、終われるはずもないのだから――
■ 最終話 『花とヌヌ』 その二 魔神復活編
花のデジソウルによってワルもんざえモンを退けたヌヌ。吹き飛ばされたワルもんざえモンを追って花たちが辿り着いたのは、朽ちた地下遺跡だった。
そこで目にしたのは、なんと封じられていた太古の魔神・ブラストモンであった。
ワルもんざえモンによって遂にその封印を解かれるブラストモン。キャラは思ってたのと違ったが、その力は伝説に語られる魔神そのもの。さらにワルもんざえモンはブラストモンとデジクロスし、桁外れの進化を遂げて花たちに襲い掛かる。
どうにか対抗しようとするも、まるで歯が立たず、追い詰められていく花たち。
しかし窮地に立たされたその時、花の全身から爆発的なデジソウルが沸き立ち、ヌヌを超進化させる。
すごい熊対すごい熊による最後の決戦。両者の実力は拮抗するも、だが黄色い熊には仲間たちがついていた。
ヌヌ、花、ウィザーモン、男爵、ツワーモン、チューチューモン、そしてハグルモンたち。皆の力を合わせた逆転の妙手が、遂にワルもんざえモンの野望を打ち破るのであった。
■ 最終話 『花とヌヌ』 その三 エピローグ
世界の命運を懸けた決戦から一夜明け、花は見知らぬ村で目を覚ます。
ワルもんざえモンたちに支配されていたその村で、花たちは英雄として迎え入れられたのであった。
催された宴のご飯に舌鼓を打つ花。そんな中、飛び込んでくる朗報。それはウィザーモンとその師・ワイズモンがコードクラウンを使ってリアルワールドへのゲートを開いてみるというものだった。
男爵、ツワーモン、チューチューモン、ハグルモンたちに別れを告げ、花とヌヌは始まりのジャングルの村で最後の一夜を過ごすことにする。
そうして翌朝、お別れの時は、やってくる――
■ 登場キャラクター紹介
暴走妄想勇者やにゅるにゅる這い寄るそのお供!
はたまたドジっ子魔法使いや鋼鉄のう○こ!
それはさながら個性という名のある種の暴力!
「花と緑の」の全登場キャラクターが大集合!
■ エイプリルフール番外編・ニセ最終話 『何かを胸に』
長い旅の末、遂に“スーパーノヴァ男爵”の居城へと辿り着いたハナ一行。
そこで彼らを待ち受けていたのは何と……!?
熊の拳は果たして大魔王の野望を挫くことができるのか――!?
愛と勇気と希望のSF冒険活劇、ここに完結!!
※嘘です。